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Expertに学ぶ画像診断・17
CT colonography
CT colonography
森本 毅
1
,
藤川 あつ子
1
,
中島 康雄
1
,
牧角 良二
2
,
四万村 司
3
,
月川 賢
2
,
大坪 毅人
2
,
宮島 伸宜
4
,
飯沼 元
5
Tsuyoshi MORIMOTO
1
1聖マリアンナ医科大学放射線医学講座
2聖マリアンナ医科大学消化器・一般外科
3聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院一般・消化器外科
4聖マリアンナ医科大学東横病院消化器病センター
5国立がん研究センター放射線診断科
pp.1162-1167
発行日 2012年9月20日
Published Date 2012/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104220
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はじめに
従来,大腸癌の術前検査として,病変部位および大腸走行形態の評価には注腸造影検査が,転移検索のためには腹部CT検査が,肉眼型や深達度,病理診断の目的には大腸内視鏡検査などが行われてきた.近年のmulti-detector row CT(MDCT)の進歩によって高解像度の画像データを用いたCT 3次元表示は高精細化し,消化管診断領域にも応用されてきている.
CTを用いた大腸診断はCT colonography(CTC)と総称されており,わが国でも広まりつつある.CTCは,経肛門的に大腸内にガスを送気して腸管を拡張させた状態でCT検査を行い,撮像データに3次元処理を加えて仮想内視鏡画像や仮想注腸画像を作成して大腸病変の評価を行う検査である.欧米ではCTCは主として大腸病変のスクリーニングに用いられているが,わが国には優れた内視鏡診断や消化管造影診断があるため,主に術前検査に用いられてきた.術前検査としてのCTCは従来,注腸造影検査,CT検査などで別々に行われてきた大腸病変の評価と転移検索を一度の検査で行うことができ,患者の負担軽減や医療コストの削減につながる.また,造影CTで得られた血管情報を3次元画像に加えることによって術前シミュレーションとしても活用することができ,その有用性はわが国でもすでに確立されている.
現在,大腸癌をはじめとした大腸腫瘍性病変の術前検査としてCTCを導入する施設は増えてきており,今後もさらなる増加が予想される.
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