特集 肝線維化ー診断を超えて
2 .肝線維化の非侵襲的評価法(4)バイオマーカーによる肝線維化診断
朝比奈 靖浩
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1東京医科歯科大学消化器内科・肝臓病態制御学講座
キーワード:
ヒアルロン酸
,
Ⅳ型コラーゲン
,
Ⅲ型プロコラーゲンN 末端ペプチド
,
M2BPGi
,
オートタキシン
Keyword:
ヒアルロン酸
,
Ⅳ型コラーゲン
,
Ⅲ型プロコラーゲンN 末端ペプチド
,
M2BPGi
,
オートタキシン
pp.1613-1620
発行日 2018年11月20日
Published Date 2018/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000587
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肝線維化の進展度を正確かつ経時的に評価することは診療上きわめて重要であり,繰り返し測定可能な血清バイオマーカーの果たす役割は大きい.肝線維化は肝における線維合成(fibrogenesis)と線維分解(fibrolysis)との動的なバランスによって形成されており,これらの過程で結合組織の構成成分が血中に流出してくる.従来から,これらに関連した血中濃度の測定が血清線維化マーカーとして用いられており,おもなものとしてヒアルロン酸,Ⅳ型コラーゲン,Ⅳ型コラーゲン7S,Ⅲ型プロコラーゲンN 末端ペプチドが挙げられ,すでに保険適用がある.一方,最近ではMac?2 結合タンパク質糖鎖修飾異性体(M2BPGi)やオートタキシンといった新しいバイオマーカーも開発されており,いずれも保険適用となった.それぞれの血清線維化マーカーの特性や意義は異なり,また病因や病態によりその挙動は異なる.したがって,実臨床ではそれぞれの特性をよく理解したうえで,病態に応じた使い分けや,結果の解釈が必要である.
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