特集 膵神経内分泌腫瘍update
8 .ガストリノーマの診断
河本 泉
1,2,3
,
細田 洋平
1,2
,
今村 正之
1,2,3
1関西電力病院外科
2関西電力病院神経内分泌腫瘍センター
3関西電力医学研究所外科(神経内分泌腫瘍)学講座
キーワード:
ガストリノーマ
,
ゾリンジャー・エリソン症候群
,
高ガストリン血症
,
多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)
Keyword:
ガストリノーマ
,
ゾリンジャー・エリソン症候群
,
高ガストリン血症
,
多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)
pp.1147-1154
発行日 2018年7月20日
Published Date 2018/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000470
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ガストリノーマはガストリンの過剰分泌により難治性消化性潰瘍や下痢などの症状をきたす.しかし高ガストリン血症は制酸薬の長期使用や萎縮性胃炎,腎機能障害などによっても起こることが知られている.ガストリノーマを疑い血清ガストリンを測定する場合は,これらの背景がないか十分注意をして評価をする必要がある.また,① 原発巣は十二指腸だけでなく膵のこともある,② 微小な腫瘍でも強い内分泌症状を呈することがある,③ MEN1の部分症のことがある,などの特徴がある.通常の採血や画像診断,内視鏡だけでは存在・局在診断に苦慮する場合が多い.胃内pH測定やEUS,カルシウム静注負荷試験やSASI test,ソマトスタチン受容体シンチグラフィーが診断に有用である.また,MEN1の鑑別も同時に行う必要がある.
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