消化器神経内分泌腫瘍
ガストリノーマ
土井 隆一郎
1
,
鬼頭 祥悟
,
花本 浩一
,
浦 克明
,
平良 薫
,
大江 秀明
,
吉川 明
,
石上 俊一
1大津赤十字病院 外科
キーワード:
Gastrins
,
ガストリノーマ
,
膵切除
,
膵頭十二指腸切除
,
生存率
,
内視鏡法
,
リンパ節郭清
,
超音波内視鏡検査
Keyword:
Endoscopy
,
Gastrins
,
Lymph Node Excision
,
Pancreatectomy
,
Gastrinoma
,
Survival Rate
,
Pancreaticoduodenectomy
,
Endosonography
pp.63-68
発行日 2012年12月20日
Published Date 2012/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013116820
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ガストリノーマは神経内分泌腫瘍の一つであり,十二指腸と膵臓に好発する.典型例はZollinger-Ellison症候群を呈するが,下痢を主症状とする場合もある.ガストリノーマの25%は多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)の部分症として発症し,またMEN1に併発する膵腫瘍の50%がガストリノーマである.ガストリノーマ患者の9割以上に消化性潰瘍が認められ,1cm未満の単発性潰瘍が多い.空腸潰瘍,食道潰瘍などの非定型的潰瘍を認めることもある.ガストリノーマの診断は血清ガストリン濃度の高値と胃酸の過剰分泌が共存することを証明することである.正確な局在診断が根治のために必須である.ガストリノーマはすべて悪性腫瘍として対処する必要があり,完全切除が治療の基本である.肝転移をきたしたものは予後不良である.
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