Japanese
English
今月の主題 内視鏡治療後サーベイランスの現状—異時性多発病変を中心に
序説
消化管腫瘍の内視鏡治療後サーベイランスの現状
Introduction
平澤 大
1
Dai Hirasawa
1
1松園第二病院消化器内科
キーワード:
内視鏡サーベイランス
,
異時多発癌
,
ガイドライン
,
検査間隔
,
消化管腫瘍
Keyword:
内視鏡サーベイランス
,
異時多発癌
,
ガイドライン
,
検査間隔
,
消化管腫瘍
pp.797-799
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403203639
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はじめに
消化管腫瘍に対する内視鏡的切除はポリペクトミーに始まり,内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection ; EMR),内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection ; ESD)と進化を遂げている.この革新的な手法により多くの早期癌が根治可能となった.内視鏡的切除は臓器が温存されるため患者の生活の質(quality of life ; QOL)を損なわないが,一方で癌の発生母地を残すことになる.一度発癌するに至った背景粘膜は,いつ異時多発病変が発生してもおかしくない環境である.低侵襲治療の恩恵を受けていても,その後の管理が非常に重要であることは自明の理であろう.
サーベイランスの目的には,①遺残再発のチェック,②転移再発のチェック,③異時多発病変のチェック,④他臓器癌のチェック,が挙げられる.本特集号でこれらすべてのサーベイランスのあり方を論じるには紙面が足りないゆえ,今回は③異時多発病変に焦点を当てて論じることとした.異時多発病変の早期発見においては内視鏡検査が重要であることは言うまでもないが,その検査間隔や検査期間に関しては質の高いエビデンスに基づいて行われるべきである.本特集号では各臓器におけるauthorityがエビデンスに基づいた考え方を詳細に解説している.そこで,この序説では,各項目の予習段階として,現在発刊されているガイドラインに記された内視鏡的切除後のサーベイランスのあり方に関して簡単に解説を行う.
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