膵癌update
Ⅱ 診断 ②腫瘍マーカー・血中膵酵素
関根 匡成
1
,
松本 吏弘
1
,
浅野 岳晴
1
,
鷺原 規喜
1
,
宮谷 博幸
1
,
眞嶋 浩聡
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター総合医学第一講座(消化器内科)
キーワード:
早期発見
,
進行癌
,
陽性率
,
偽陽性
Keyword:
早期発見
,
進行癌
,
陽性率
,
偽陽性
pp.761-764
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000387
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近年,膵癌は化学療法の選択肢が増え,効果もある程度期待できるようになってきた.しかし,早期発見はまだ難しく,予後は依然として不良である.膵癌診療ガイドライン2016年版でも膵癌の診断法の一つとして腫瘍マーカーや血中膵酵素の測定が挙げられている.現在の膵癌の診断に用いられているおもな腫瘍マーカー,血中膵酵素などを表1に挙げる.そのなかで使用される頻度の高い腫瘍マーカーのカットオフ値と陽性率をまとめたものを表₂に示す.しかし,陽性率が高いCA19‒9であっても2cm未満の膵癌においては50%程度の陽性率しかなく,診断やフォローアップには推奨されても,早期発見の手段としては満足のいくものではない.
本稿では,現在使用されているおもな腫瘍マーカー,および血中膵酵素などについて概説する.
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