特集 健診データで困ったら─こんな検査結果を持ってこられたら
【各論】
5.腫瘍マーカーが高かったら
末廣 寛
1
,
松本 俊彦
1
,
山﨑 隆弘
1
1山口大学大学院医学系研究科 臨床検査・腫瘍学分野
キーワード:
腫瘍マーカー
,
カットオフ値
,
偽陽性
,
陽性的中率
Keyword:
腫瘍マーカー
,
カットオフ値
,
偽陽性
,
陽性的中率
pp.748-751
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200309
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
Case
CA125一過性異常高値を示した1例
患者:30歳台,女性.
経過:健診でCA125が1,000U/μl以上を示したため,入院のうえ精査となった.生来健康で,特に自覚症状はないとのことであった.悪性腫瘍を疑い,さまざまな検査を行ったが何も異常はなく,原因を突き止めることができなかった.CA125の推移をみるため再検査したところ,基準値内であった.結局,「異常なし」ということで退院となった.
初回検査時の高値はいったい何だったのだろうと,20数年前の出来事ではあるが,今でも不思議に思う.腫瘍マーカーは1回だけの検査で判定するのではなく,必ず推移を追っていく必要があるものと痛感した症例であった.また,初回検査時の“検体間違い”の可能性も考慮して,検査センターに問い合わせるべきであったと今でも思う.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.