5 ．GERD 関連の話題（4）GERD と呼吸器症状

近年，胃食道逆流症が喘息，特発性肺線維症，慢性閉塞性肺疾患，囊胞性線維症，閉塞性睡眠時無呼吸症候群といった特定の呼吸器疾患の発症に関わる，もしくは増悪因子であるとする報告が多数認められる．しかし現時点において，質の高い研究で証明されたものはない．逆に，呼吸器疾患が胃食道逆流症を引き起こしているとの報告もあり，関係性は未だクリアでない．そのような状況で呼吸器疾患の治療の補助を目的として胃酸分泌抑制薬を使用した報告が多数あるが，治療効果は限定的である．現時点でもっとも関わりが証明されているのは喘息であり，胃食道逆流の治療で軽快する可能性がある．