特集 NASH2018
11.NASH の治療はどこまで進歩したか (4)NASH 線維化に対する薬剤治療の試み
赤羽 たけみ
1
,
𠮷治 仁志
1
1奈良県立医科大学内科学第三講座(消化器・内分泌代謝内科)
キーワード:
抗線維化療法
,
臨床試験
,
併用療法
Keyword:
抗線維化療法
,
臨床試験
,
併用療法
pp.107-112
発行日 2017年12月20日
Published Date 2017/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000206
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肝線維化はNASH の予後規定因子であり,肝線維化のステージが上がるとともに肝関連死のリスクが指数関数的に上昇する.近年の研究から肝線維化は可逆性であることが明らかになり,NASH における線維化進展に関するメカニズムが解明されつつある.そのため,現在進行中の臨床試験では予後の改善を目的とした抗線維化療法に焦点が当てられているものが多い.NASH の肝線維化進展にはさまざまな因子が複合的に関わっているため,異なる作用の薬剤を組み合わせた併用療法がより効果的であると考えられる.今後は個々の患者のニーズに応じたもっとも有効な組み合わせを用いる「個別化医療」が体系化されていくことが重要であると思われる.
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