特集 消化器癌の拡大内視鏡診断
4 .胃癌の範囲診断における拡大観察の役割 ―非腫瘍/腫瘍の鑑別となる病変も含めて
八木 一芳
1
,
小田 知友美
1
,
星 隆洋
1
,
森田 慎一
1
,
兼藤 努
1
,
須田 剛士
1
,
寺井 崇二
2
1新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院消化器内科
2新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科分野
キーワード:
胃癌
,
範囲診断
,
NBI
,
拡大内視鏡
,
除菌後発見胃癌
Keyword:
胃癌
,
範囲診断
,
NBI
,
拡大内視鏡
,
除菌後発見胃癌
pp.1685-1693
発行日 2017年11月20日
Published Date 2017/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000164
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胃癌の拡大内視鏡による範囲診断のコツは,①背景胃粘膜の拡大像を捉える.そして病変に向かって観察し,②粘膜模様および/または血管パターンの不整から癌への移行部を診断し,③癌の領域診断すること,である.近年は除菌後発見胃癌,すなわちH. pylori既感染胃に発生する胃癌が胃炎様で,ESD時にその範囲診断が難しいことがいわれている.除菌後発見胃癌の拡大内視鏡診断のコツは,①胃炎様であるということを知っておくこと,②範囲診断は間違いなく胃炎であるところから病変に向かって行うこと,③胃炎様でも背景とは異なる粘膜模様の部分で癌の境界を疑うこと,④そしてその部分のwhite zoneと血管を丁寧に診断し,癌に間違いないかどうかを判定すること,である.
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