技術講座 血清
HBs抗体の測定法
𠮷原 なみ子
1
1東大病院輸血部
pp.356-358
発行日 1977年5月1日
Published Date 1977/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201353
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
抗HBs抗体の測定法は,HBs抗原の測定法とほぼ同じ測定法を使用することが理論的には可能である.異なるのはHBs抗原測定には抗血清に抗HBs抗体を使用したのに対し,抗HBs抗体測定には抗血清にHBs抗原を使用するところのみである.しかし抗体価の分布が低いため,どの方法を用いるかにより陽性頻度がかなり異なってくるので,余り感度の低い方法で検査しても意味がなくなる.測定法により陽性頻度に著しい差がみられるのは,抗体の量の問題以外に質の問題とも考えられる.最も良いと思われる測定法はRIA法(radioimmunoassay法)とPHA法(passive hemagglutination法,受身赤血球凝集反応法)であろう.
沈降抗体として検出される方法はMO法(micro-Ouchterlony法,ゲル内二重免疫拡散法),IES法(immunoelectro syneresis法,免疫電気泳動法),SRID法(single radial immunodiffusion法,一元免疫拡散法)があり,補体結合性抗体として検出される方法はCF法(complement fxation法,補体結合反応),IAHA法(immune adherence hemagglutlnation法,免疫粘着赤血球凝集反応)である.これらの検査法を用いた検出率は,供血者においてRIA法,PHA法,10〜25%>MO法,IES法,SRID法0.5%>CF法IAHA法0.5%以下ということになる.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.