連載 薬の知識
テノホビルアラフェナミドフマル酸(ベムリディⓇ)
泉 並木
1
1武蔵野赤十字病院消化器科
キーワード:
B 型慢性肝炎
,
TAF
,
ベムリディ
,
テノホビル
Keyword:
B 型慢性肝炎
,
TAF
,
ベムリディ
,
テノホビル
pp.1633-1636
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000153
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B 型肝炎ウイルスの増殖を抑えるため,これまで4 種類の核酸アナログが用いられてきた.核酸アナログ内服によってB 型肝炎ウイルスによる肝不全や肝硬変への進展を防止することが可能となり,肝発癌率の低下も報告されている1)〜3).B 型肝炎ウイルスに感染して,慢性肝炎を発症していても核酸アナログを長期に内服することによって長期生存が可能となった.そこで,長期の核酸アナログ内服に伴う問題点が指摘され始めた.一つは長期内服を行っても肝発癌がみられる点である.さらに,次第に患者が高齢化してくることと相まって腎機能障害や骨障害が生じる点が問題となってきている.とくに自然経過でもB 型肝炎ウイルスに感染していると骨粗鬆症を合併する頻度が高いことが台湾の大規模研究で証明された4).これらの合併症が核酸アナログ内服後に進行するのを防止していくための薬剤の登場が待たれていた.ベムリディ®が使用できることによって,どの点が期待されるかについて概説したい.
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