特集 ピロリ菌陰性者にみられる胃疾患の診かた― 胃癌を中心に
5 .H. pylori 陰性者にみられる胃びらん・胃潰瘍
塩谷 昭子
1
,
合田 杏祐
1
,
村尾 高久
1
,
藤田 穣
1
,
松本 啓志
1
,
鎌田 智有
2
1川崎医科大学消化管内科学
2川崎医科大学消化管内科学、同 健康管理学
キーワード:
非ステロイド性抗炎症薬
,
胃酸分泌
,
特発性潰瘍
,
プロトンポンプ阻害薬
Keyword:
非ステロイド性抗炎症薬
,
胃酸分泌
,
特発性潰瘍
,
プロトンポンプ阻害薬
pp.1457-1462
発行日 2017年9月20日
Published Date 2017/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000125
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NSAIDs による粘膜傷害は,プロスタグランジン産生抑制に加えて,胃内酸性条件下での局所作用による粘膜傷害により,pH 依存性に惹起される.NSAIDs 潰瘍は一般的に発赤・びらんを伴い,浅い潰瘍が多発する傾向にあり,不整形の潰瘍が多い.特発性潰瘍は,H. pylori 陽性潰瘍と比較して難治性で再発しやすく予後不良で,高齢,重症の基礎疾患,心理的ストレスが危険因子と考えられている.酸分泌抑制薬を中心とした長期の維持療法が必要となることが多い.
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