特集 食道癌診療の進歩―現状と課題
4 .食道癌の治療(3)周術期補助療法―術前補助療法・術後補助療法
八木 浩一
1
,
佐藤 靖祥
1
,
西田 正人
1
,
山下 裕玄
1
,
野村 幸世
1
,
瀬戸 泰之
1
1東京大学医学系研究科消化管外科学
キーワード:
食道癌
,
術前補助化学療法
,
術前補助化学放射線療法
Keyword:
食道癌
,
術前補助化学療法
,
術前補助化学放射線療法
pp.1233-1241
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000080
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切除可能食道癌の治療の中心は外科的切除であり,周術期補助療法は外科的切除単独での治療成績を向上させるために施行される.本邦ではJCOG9204 試験により術後シスプラチン+5‒FU(CF,FP)療法の手術単独に対する再発予防効果が示され,JCOG9907 試験により術前CF 療法の術後CF 療法に対する予後改善効果が示された結果,現在のcStageⅡ/Ⅲ食道癌の標準治療はCF 療法による術前補助化学療法(NAC)+手術である.一方欧米では,NAC および術前補助化学放射線療法(NACRT)の有用性が報告されている.JCOG9907 試験および海外のメタアナリシスの結果,NAC/NACRT による周術期合併症の増加は認めていない.現在,術前CF療法vs 術前ドセタキセル+CF(DCF)療法vs 術前CF/41.4 Gy 療法の3群間比較試験(JCOG1109試験;NExT study)が進行中であり結果が待たれる.
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