特集 食道癌診療の進歩―現状と課題
2 .食道癌の疫学
山地 太樹
1
,
津金 昌一郎
2
1国立がん研究センター社会と健康研究センター疫学研究部
2国立がん研究センター社会と健康研究センター
キーワード:
食道癌
,
疫学
,
世界と日本
,
罹患と死亡
,
リスク要因と予防要因
Keyword:
食道癌
,
疫学
,
世界と日本
,
罹患と死亡
,
リスク要因と予防要因
pp.1199-1204
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000075
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世界保健機関の推計によると,食道癌は世界で8 番目に罹患数の多いがんで,2012 年の推計罹患数は約46 万人であった.同年の推計死亡数は約40 万人で,肺・肝・胃・大腸・乳に次いで6 番目に多いがんとなっている.日本の統計では,2012 年の罹患数が約2 万人,2015 年の死亡数が約1 万人となっており,2006〜2008 年の5年相対生存率が37.2%であったことから,食道癌は比較的予後の悪いがんであるといえる.日本人に多い食道扁平上皮癌の確実なリスク要因は喫煙と飲酒で,世界と日本で評価が一致している.世界的に評価が定まった予防要因はないが,日本人において野菜・果物摂取が予防的であるとする疫学的な根拠が多数ある.
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