特集 患者参加型医療として透析を考える―SDM とACP
2.日本の透析医療におけるSDMとACP―課題と展望
中山 昌明
1,3
,
中野 広文
2,3
1聖路加国際大学研究管理部
2養生会かしま病院腎センター
3東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科
キーワード:
SDM
,
ACP
,
CKM
,
RRT(腎代替療法)
Keyword:
SDM
,
ACP
,
CKM
,
RRT(腎代替療法)
pp.17-24
発行日 2026年1月10日
Published Date 2026/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003694
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近年,患者中心医療の潮流のなかで,共同意思決定(SDM)は透析医療における重要な概念となっている.日本では高齢透析患者の増加や多疾患併発例の増加に伴い,患者と医療者が協働して治療方針を決定するアプローチの必要性が高まっている.とくに,腹膜透析や腎移植などの腎代替療法の選択において,SDMの導入が注目されているが,実際の臨床現場では十分に普及しているとは言いがたい.情報提供不足の背景には,施設側の人的・物的制約や医師の説明経験の不足がある.また,SDMは患者の人生観や価値観を反映させることが求められるが,限られた資源・時間のなかでの実践には課題が多い.SDMを繰り返し実施することはアドバンス・ケア・プランニング(ACP)にも繫がるが,日本ではACPが終末期医療に限定されがちで,国際的な定義との乖離もみられる.持続可能な透析医療の実現には,SDMおよびACPを患者の人生全体を支えるプロセスとして普及・定着させることが不可欠である.

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