特集 精神科×内科—患者と家族を支えるために知っておきたい見えない“こころ”のこと
終末期の患者とのかかわり方
ACPをめぐって—ACPの実践に関するPros & Cons
長谷川 貴昭
1
1名古屋市立大学病院緩和ケアセンター
キーワード:
アドバンス・ケア・プランニング
,
ACP
,
意思決定
,
終末期ケア
,
コミュニケーション
Keyword:
アドバンス・ケア・プランニング
,
ACP
,
意思決定
,
終末期ケア
,
コミュニケーション
pp.1066-1072
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620071066
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Point
◎患者が意思を表明できなくなる前に,あらかじめ希望する終末期療養を患者が指示(advance directive)し,記録に残すだけでは,希望に沿った終末期療養を実現することが困難であることがわかり,近年アドバンス・ケア・プランニング(ACP)が注目されてきた.
◎ACPの研究知見により,終末期医療に関するコミュニケーションや記録が改善することが報告されてきている一方,患者のQOLの改善や意向に一致したケアの受療には貢献しないことが報告されてきている.
◎医療方針の決定に際し,患者の優先する価値を確認し治療目標について話し合いを行うことは重要な一方,将来のことを扱う,ACPを実践するうえでの障壁は患者の要因(特に心理的要因),周囲の状況ともに複雑である.

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