特集 透析患者のカリウム管理
1.腎不全患者のカリウム代謝
柴田 茂
1
1帝京大学医学部内科学講座
キーワード:
インスリン抵抗性
,
レニン・アンジオテンシン系
,
代謝性アシドーシス
Keyword:
インスリン抵抗性
,
レニン・アンジオテンシン系
,
代謝性アシドーシス
pp.1066-1071
発行日 2025年8月10日
Published Date 2025/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003533
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カリウム代謝異常は,腎不全患者における重要かつ頻度の高い電解質異常の一つである.健常者では,腎臓とカリウムを貯蔵する各臓器との協調作用によって血清カリウム濃度は厳格に調節されているが,腎不全患者では腎臓からのカリウム排泄の低下により高カリウム血症をきたしやすくなる.さらに,糖尿病や代謝性アシドーシス,交感神経活性異常などの併存疾患・病態により細胞内へのカリウム取り込みが障害され,高カリウム血症を助長する一因となる.末期腎不全患者では,血液透析がカリウム除去の主要な役割を担う一方,消化管(とくに大腸)からのカリウム排泄も亢進しているとされ,便通管理は高カリウム血症リスクの低減に寄与するものと考えられる.以上の病態を踏まえることは腎不全患者におけるカリウム管理向上に重要であると考えられる.

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