特集 透析患者のカリウム管理
5.高カリウム血症への対策―薬物療法
蒲澤 秀門
1
,
田中 舞
1
,
細島 康宏
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科腎研究センター病態栄養学講座
キーワード:
CKD
,
代謝性アシドーシス
,
ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物(ロケルマ®)
,
高カリウム血症
,
便秘
Keyword:
CKD
,
代謝性アシドーシス
,
ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物(ロケルマ®)
,
高カリウム血症
,
便秘
pp.1094-1100
発行日 2025年8月10日
Published Date 2025/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003537
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KDIGO 2024ガイドラインによれば,CKD患者の高カリウム血症の治療は段階的に行われ,NSAIDsなどのRAS阻害薬以外の薬剤調整や食事の見直し,利尿薬の使用,カリウム吸着薬の投与,RAS阻害薬の減量・中止が検討される.カリウム吸着薬については,昨今,ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物の使用が増加しつつあり,副作用が少なく効果も良好とされる.RAS阻害薬の中止は慎重に検討し,再開も検討される.代謝性アシドーシスは高カリウム血症を増悪させる可能性があり補正が検討される.また,便秘による腸管カリウム排泄の低下も高カリウムの原因となるため,下剤使用による排泄促進も有効である.治療の最終目的は致死的不整脈や心不全などの予防であり,個別の原因に応じた対応が求められる.

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