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特集 脳・心・腎連関を見逃さない
Ⅰ総論
進化と脳・心・腎連関
Evolution and cardiorenal connection
伊藤 貞嘉
1
1東北大学大学院 医学系研究科内科病態学講座腎・高血圧・内分泌学分野
キーワード:
Strain vessel
,
アルブミン尿
,
低血圧
,
レニン・アンジオテンシン系
Keyword:
Strain vessel
,
アルブミン尿
,
低血圧
,
レニン・アンジオテンシン系
pp.302-306
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101353
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はじめに
現代は生活習慣病を基盤とした心血管疾患(Cardiovascular disease ; CVD)や腎臓病の克服が大きな課題となっている.特に,慢性腎臓病(Chronic kidney disease ; CKD)は末期腎不全の発症のみならず,脳・心血管疾患の強力なリスクであり,脳・心・腎連関として注目されている.さらに,CKDでは認知症の頻度が高いことも明らかになってきている.生活習慣病の代表である高血圧や糖尿病による臓器障害の特徴は,脳・心・腎など生命維持に重要な臓器から障害が始まることである.なぜか? その答えは生命の進化に求めることができよう.すなわち,本来自然界において生命維持に不可欠な構造や分子が,現代社会においては逆に生命を脅かす存在になっていると考えられる.その代表例として,脳幹などの生命維持の根幹をなす部位への血流供給システム,レニン・アンジオテンシン(RA)系,酸化ストレスや炎症があげられる.
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