特集 透析患者の泌尿器科疾患に対応する―泌尿器科専門医との連携
4.泌尿器科疾患による疼痛―鑑別診断
久野 瑞貴
1
,
阿部 貴弥
1
1岩手医科大学泌尿器科学講座
キーワード:
血液透析
,
無尿
,
泌尿器科
,
疼痛
Keyword:
血液透析
,
無尿
,
泌尿器科
,
疼痛
pp.577-582
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003425
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泌尿器科疾患による疼痛は,腎部痛,膀胱痛,排尿時痛,陰囊痛に大別される.頻度の高い疾患として,腎部痛では尿管結石症や常染色体優性多発性囊胞腎などが,膀胱痛では急性膀胱炎や膀胱癌などが,陰囊痛では精巣捻転症,精巣上体炎,精索静脈瘤などが挙げられる.血液透析患者は透析期間とともに自尿がなくなる.そのため尿路感染症や尿管結石症では疼痛が見られないことも多く,膀胱癌でも画像診断が困難なことなどがあり,診療では注意が必要である.囊胞腎では囊胞感染や出血,加齢による囊胞増大から腹部膨満感などがみられる.慢性陰囊痛は多くは特発性であるが一定の割合で手術が有効であり,治療機会を逃さないことが重要である.

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