増大号 POCUSの決め手。 早く、正確な診断のために
4章 症状別検査の進め方
尿が出ない
亀田 徹
1
1済生会宇都宮病院超音波診断科
キーワード:
無尿
,
尿閉
,
尿道カテーテル
Keyword:
無尿
,
尿閉
,
尿道カテーテル
pp.357-364
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209280
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
救急や入院診療に関わる医療従事者が“尿が出ない”患者に接する機会は少なくない.その際に超音波検査を使いこなせれば,診療やケアの質が向上する.近年はPOCUSが普及し,ベッドサイドでカート式やポケットサイズの超音波診断装置が手軽に利用できるようになった.“尿が出ない”という症状に対し,これらポータブル超音波診断装置で評価は十分に可能である.まず,ベッドサイドで迅速に評価して患者の苦痛を軽減し,必要に応じて超音波検査室で原因精査を行えばよい.
POCUSではまず,膀胱に尿がたまっているか,どの程度たまっているかの評価から始める.時には尿道カテーテルが入っていても尿が出ないこともあるし,カテーテルを挿入しても尿が出ないこともある.本稿では“尿が出ない”場合を想定し,フローチャート(図1)でアウトラインを示し,各論を展開していく.さらに尿道カテーテル挿入手技に関するPOCUSの役割についても言及する.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.