特集 透析患者の泌尿器科疾患に対応する―泌尿器科専門医との連携
5.透析患者の血尿と膿尿―鑑別診断
古野 剛史
1
,
飴田 要
1
,
西村 陽子
1
,
三浦 克紀
1
,
関 晴夫
1
,
柿崎 秀宏
1
1北海道泌尿器科記念病院
キーワード:
透析
,
血尿
,
膿尿
,
細菌尿
Keyword:
透析
,
血尿
,
膿尿
,
細菌尿
pp.583-587
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003426
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すでに腎機能が低下している透析患者の血尿では,内科的腎疾患よりも泌尿器科疾患の検索が重要である.鑑別診断として尿路結石・異物,尿路感染,囊胞出血,腎癌,尿路上皮癌,凝固能低下に伴う出血,まれに放射線性膀胱炎,外傷などがある.尿量の減少に伴い血尿の自覚症状に乏しく,また画像診断が困難な場合があり,診断には熟慮が必要である.また透析患者では無症候性膿尿・細菌尿を3〜4割に認め,尿量減少に伴い尿中白血球は有意に増加する.透析患者における膿尿・細菌尿の診断基準は明確ではない.無症候性の場合は抗菌薬治療の適応にはならず,症候性であれば自覚症状,既往歴,画像検査などを参考に感染部位を検索し治療を行う.

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