症例による透析患者の画像診断
診断に苦慮した血液透析患者における肺結核の1例
清水 芳男
1
,
中井 公美
1
,
田中 翔大
1
,
長澤 肇
1
,
若林 啓一
1
,
小泉 明博
2
,
小池 周一
2
,
櫛田 知志
2
,
和田 了
3
,
富野 康日己
4
,
鈴木 祐介
5
1 順天堂大学医学部附属静岡病院腎臓内科
2 順天堂大学医学部附属静岡病院一般外科
3順天堂大学医学部附属静岡病院病理診断科
4 医療法人社団松和会
5順天堂大学医学部腎臓内科
キーワード:
粟粒結核
,
診断
,
潜在性結核感染者
Keyword:
粟粒結核
,
診断
,
潜在性結核感染者
pp.1444-1448
発行日 2024年10月10日
Published Date 2024/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003188
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世界における結核の罹患率は2003年前後をピークに減少傾向にあるが,2022年の世界保健機関(World Health Organization;WHO)の報告では,依然として年間1,060万人が罹患し,130万人が死亡している.わが国の罹患率は減少が続き2021年の速報値で人口10万人当り9.0人であり,WHOによる低蔓延国の基準を満たした.一方,かつて結核が蔓延していた時期に感染した潜在性結核感染者が加齢に伴い発病する患者が増加している.維持血液透析患者の潜在性結核感染症の発病リスクは,リスク要因のない人を1とすると10〜25倍であると見積もられており,現在においても維持透析患者における結核は重大な感染症の地位を占めている.
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