特集 在宅・長時間透析2023―快適で長生きするために
12.長時間透析における透析液―カリウム,マグネシウム,ブドウ糖について
前田 兼徳
1
,
山本 忠司
2
1 兼愛会前田医院
2 仁真会白鷺病院
キーワード:
透析液組成
,
CDDS
,
ブドウ糖濃度
,
電解質濃度
Keyword:
透析液組成
,
CDDS
,
ブドウ糖濃度
,
電解質濃度
pp.1103-1109
発行日 2023年8月10日
Published Date 2023/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002683
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日本の透析は中央透析液供給システム(central dialysis fluid delivery system;CDDS)が主を成しており,透析液組成はテーラーメイドとはほど遠い最大公約数の透析患者のニーズに合うように設定されている.つまり各透析施設は限られた透析液の組成に合わせた治療戦術をとらざるをえず,CDDS使用下の透析液組成は透析患者の最大公約数に対してできるかぎり副作用が少なく,それ以外の透析患者群に対しても適応可能であることが必要十分条件となる.とくに長時間透析においては,標準透析に比べて治療時間が長いことより,血液と透析液の濃度勾配による溶質の過剰な除去や負荷を考慮する必要がある.長時間透析における透析液としては,K濃度2.3 mEq/L以上,Mg濃度1.2 mEq/L以上,ブドウ糖濃度150 mg/dL程度の組成を推奨したい.
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