Japanese
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増刊号 腎代替療法のすべて
【第4章 血液透析,血液透析濾過】
4 透析液,補充液
Dialysate and substitution fluid
前田 兼徳
1
,
山本 忠司
2
Maeda Kanenori
1
,
Yamamoto Tadashi
2
1医療法人社団兼愛会前田医院
2特定医療法人仁真会白鷺病院
キーワード:
透析液組成
,
中央透析液供給システム(Central Dialysis fluid Delivery System:CDDS)
,
ブドウ糖濃度
,
電解質濃度
,
酢酸濃度
Keyword:
透析液組成
,
中央透析液供給システム(Central Dialysis fluid Delivery System:CDDS)
,
ブドウ糖濃度
,
電解質濃度
,
酢酸濃度
pp.173-178
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000421
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はじめに
血液透析,血液透析濾過においては個人用透析装置を用いた個人用透析液によるテーラーメイド透析が理想である。しかしわが国の血液透析は中央透析液供給システム(Central Dialysis fluid Delivery System:CDDS)が大部分を占めており,このシステムこそが,わが国の血液透析の普及や患者の生命予後の改善に大きく寄与してきた。そのため市販の透析液組成はCDDSに対応するために,テーラーメイドとはほど遠い透析患者の最大公約数のニーズに合うように設定されている。つまり各施設は限られた市販透析液のなかから1~2種類の透析液をあらかじめ選択し,その組成に合わせた治療戦術をとらざるを得ない。例えば,透析液カルシウム(Ca)濃度の違いにより施設ごとのCKD-MBD(慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常)治療のコンセプトが異なっているのが現状である。透析液の組成は,その時々の透析医療のニーズに合わせながら柔軟に変化してきた。本稿では,これからの時代のニーズに合った透析液組成について考察する。
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