特集 透析医療のgender diversity
5.腎原疾患と透析合併症の性差
西尾 妙織
1
1北海道大学病院リウマチ・腎臓内科
キーワード:
性差
,
エストロゲン
,
QOL
Keyword:
性差
,
エストロゲン
,
QOL
pp.1275-1282
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002297
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わが国ではCKD患者は男性に多く,透析患者数も男性のほうが多い.男性のCKD患者が多い原因としては,透析導入の原疾患として一番多い糖尿病患者数が男性のほうが多いこと,遺伝性腎疾患では男性のほうが予後が悪い疾患が多いこと,CKD患者の予後に影響する高血圧患者が男性に多いことが挙げられる.さらに,女性ではエステロゲンがCKD進行に保護的に働くため,男性よりCKDの進行が遅い可能性がある.また,透析患者で重要なQOLに関しては女性のほうが良いことも示されており,これらのことから,性差を考慮した疾病の予防や診断,治療が必要である.
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