特集 痛みを訴える透析患者にどう対応するか
1.CKD患者にとって痛みとは
加藤 明彦
1
1浜松医科大学附属病院血液浄化療法部
キーワード:
痛みの頻度・強さ
,
臨床的アウトカム
,
フレイル
,
常染色体優性多発性囊胞腎
Keyword:
痛みの頻度・強さ
,
臨床的アウトカム
,
フレイル
,
常染色体優性多発性囊胞腎
pp.1139-1147
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002262
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慢性腎臓病(CKD)における慢性的な痛みの特徴は,①非透析期と透析期の患者と比較し,腎移植レシピエントでは痛みの合併率が低い,②筋骨格部の痛みが保存期から透析期のCKDでは最も多いようであるが,腎移植レシピエントでは腹痛が最も多い,③男性より女性に合併率が高い,④腎機能の低下とともに痛みの程度が強くなり,血液透析患者において痛みの重症度スコアが最も高い,⑤慢性的な痛みは独立してADLやQOL低下と関連し,痛みはフレイルの危険因子である,などである.とくに,常染色体優性多発性囊胞腎(ADPKD)患者では,痛みは臨床的に重要なコア・アウトカムの一つであり,すべてのADPKD研究で報告することが求められる.
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