特集 CKD・透析患者の栄養指導方法と実践
【特集コラム】在宅血液透析に食事指導は必要なのか?
政金 生人
1
1矢吹病院
キーワード:
在宅血液透析
,
透析プログラム
,
透析量
,
価値観の多様化
Keyword:
在宅血液透析
,
透析プログラム
,
透析量
,
価値観の多様化
pp.1402-1403
発行日 2021年11月10日
Published Date 2021/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001957
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2010年に在宅血液透析(HHD)の勉強のためトロントにPierratos教授を訪ねた.トロントではHHD患者の多くは夜間睡眠時透析(nocturnal home hemodialysis;NHD),週6〜7回,1回8〜10時間の透析プログラムを行っていた.患者にはたんぱく質制限はなく,むしろ患者はたんぱく質摂取の重要性について教育され,たんぱく質摂取が少ないと低リン血症を起こし,栄養や骨代謝に好ましくないと指導されていた.透析時間が週36時間を超える場合は,透析液にリンを添加していた.また,カナダには高度肥満の患者がかなりおり,これらの患者には徹底的な糖質制限(たんぱく質強化食)を行う,付随して起こるアシドーシスには重炭酸濃度が高い透析液を使用する,すると患者はみるみる痩せると説明された.食事量が増えるので,低カリウム血症は気にしないでもよいとのことであった.日本とのあまりの違いに驚いた.
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