特集 CKD・透析患者の最近の知見による体液管理
4.体液過剰の疫学(国内外)・患者予後(2)血液透析患者における体液過剰と血圧について―疫学を中心として
梶谷 英人
1
,
西脇 宏樹
1,2
1昭和大学藤が丘病院内科系診療センター内科(腎臓)
2昭和大学統括研究推進部(SURAC)
キーワード:
血液透析
,
体液過剰
,
心血管系疾患
,
高血圧
,
IDWG
Keyword:
血液透析
,
体液過剰
,
心血管系疾患
,
高血圧
,
IDWG
pp.1115-1121
発行日 2021年9月10日
Published Date 2021/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001887
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透析患者は自尿が少ないため,容易に体液過剰状態に陥りやすい.したがって透析患者特有の体液調節機構を理解し,その管理に努める必要がある.透析患者における体液過剰は心血管系合併症や高血圧を引き起こし,予後に大きく影響する.心血管系合併症による死亡は,透析患者の死因のおよそ3割を占める.また高血圧の有病率も依然として高い.透析患者の体液量や血圧管理を論じるに当たり,透析間体重増加(IDWG)についての理解も不可欠である.とくに本邦のIDWGは他国に比較して大きいことがわかっている.本稿では透析患者の体液量状態について,おもに心血管系合併症や高血圧,IDWGの疫学を中心として,近年得られた知見を紹介する.
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