今月の主題 水電解質・酸塩基平衡の調節とその異常
体内Na量(体液量)の調節とその異常
体液量過剰の原因とその治療
岡田 浩司
1
,
小林 修三
1
,
池田 壽雄
1
1NTT伊豆逓信病院内科
pp.1865-1867
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902936
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●生体の体液調節には,体液量を増加させるレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(R-A-A系),抗利尿ホルモン(ADH)と,これを減少させる心房性Na利尿ペプチド(ANP)などが関与する.
●体液調節機構のアンバランスにより,細胞外液量(ECF)が増加する際に体液過剰をきたす.
●体液過剰の原因としては,①水分の増加が体内Na量の増加を上回る場合(うっ血性心不全,ネフローゼ症候群,肝硬変),②体内Na量の増加が水分の増加を上回る場合(Na過剰投与,鉱質コルチコイドの過剰)があげられる.
●治療法は,①では原疾患に対する治療と水分制限,利尿薬投与などを行う.②のNa過剰投与の際は,利尿薬を投与しながら低張液の輸液を行い,一方,鉱質コルチコイドの過剰では軽度の高Na血症を呈するのみであり,原病の治療を優先して行う.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.