透析患者の消化管疾患AtoZ 各論
6.小腸・大腸,肛門 5 短腸症候群
小山 諭
1
1新潟大学大学院保健学研究科
キーワード:
短腸症候群
,
小腸広範切除
,
中心静脈栄養
,
経腸栄養
Keyword:
短腸症候群
,
小腸広範切除
,
中心静脈栄養
,
経腸栄養
pp.1033-1036
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001863
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短腸症候群(short bowel syndrome;SBS)は,“なんらかの原因による小腸大量切除のため吸収面積が減少し,水分,電解質,主要栄養素,微量元素,及びビタミンなどの吸収が障害されるために生じた吸収不良症候群”と定義される.わが国では小腸大量切除の一般的な目安として,小児では残存小腸75 cm以下,成人では150 cm以下または1/3以下が用いられている.SBSでは栄養素および水分の吸収がともに障害されている.主要栄養素の吸収では,小腸を50%以上切除した場合,炭水化物81%,たんぱく質62%,脂質61%が吸収されるとの報告から,摂取エネルギーの約1/3は吸収されていない可能性があるので,より広範囲の小腸大量切除ではさらに吸収が低下している.
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