透析患者の消化管疾患AtoZ 総論
12 開腹手術,低侵襲手術
高山 哲郎
1
,
阿佐美 健吾
1
,
熊田 博之
1
,
芳賀 泉
1
1JCHO仙台病院外科
キーワード:
透析患者
,
開腹手術
,
腹腔鏡下手術
Keyword:
透析患者
,
開腹手術
,
腹腔鏡下手術
pp.924-929
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001836
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組織脆弱性・易出血性・易感染性・創傷治癒遅延・臓器局所の循環血流不良など,透析患者は腎機能健常者と比較して手術を行ううえで不利な点が多く,とくに65歳以上の高齢透析患者は術後合併症リスクが高く予後不良であると報告されている.また透析患者は腎不全のみならず糖尿病や高血圧,心血管疾患を合併していることも多く,消化器疾患において低侵襲手術の代表である腹腔鏡下手術の報告は未だ非常に少ないのが現状である.しかし自動縫合器やエネルギーデバイスなど鏡視下手術で使用する器具の進歩に伴って,透析患者であっても腎機能健常者と同等の手術クオリティが得られるようになってきており,今後透析患者の消化器疾患に対する腹腔鏡下手術の報告は増加していくものと思われる.
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