特集 消化器・一般外科におけるCommon Diseaseの手術 エルステから高難度まで
I 虫垂炎手術 10 虫垂炎に対する開腹手術・開腹移行
福岡 達成
1
,
永原 央
1
,
渋谷 雅常
1
,
井関 康仁
1
,
小川 正文
2
,
大平 雅一
1
1大阪市立大学大学院消化器外科学
2山本第三病院外科
キーワード:
虫垂炎
,
開腹手術
,
開腹移行
Keyword:
虫垂炎
,
開腹手術
,
開腹移行
pp.445-452
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002143
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
急性虫垂炎は単純性虫垂炎と膿瘍形成などを伴う複雑性虫垂炎に分類され,膿瘍を伴う複雑性虫垂炎は緊急手術,準緊急手術が必要とされる。しかし,近年では,抗菌薬の進歩に伴い,複雑性虫垂炎であっても保存的治療を先行したあとに手術を行う待機的手術(interval appendetomy)の有用性1,2)が報告され,緊急手術を行うことは少なくなってきている。腹腔鏡手術の普及により,待機手術や準緊急手術での虫垂切除術はほとんどが腹腔鏡下に行われ3,4),また緊急手術の場合でも,現在では多くの施設が腹腔鏡手術を第一選択としており,開腹虫垂切除術を行う頻度は非常に減少している。しかし,腹腔鏡下で開始してもやむを得ず開腹移行を行うことや,患者の全身状態などから開腹手術を選択せざるを得ない症例は少なからず存在する。開腹虫垂切除術は一般腹部手術に用いる器具を使用し,剥離や切離,結紮など外科手術の基本となる手技が多く,若手外科医にとっていまなお欠かせない手術である。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.