透析患者の消化管疾患AtoZ 総論
9 小腸内視鏡検査と治療
宮原 晶子
1
,
矢野 智則
1
,
山本 博徳
1
1自治医科大学内科学講座消化器内科学部門
キーワード:
ダブルバルーン内視鏡
,
カプセル内視鏡
,
OGIB
,
矢野・山本分類
Keyword:
ダブルバルーン内視鏡
,
カプセル内視鏡
,
OGIB
,
矢野・山本分類
pp.905-911
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001833
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透析患者における貧血の原因として,消化管出血に伴う鉄欠乏が重要である.2015年版の「慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン」によれば,慢性腎臓病(CKD)の患者に貧血が合併し,一定量以上の鉄補給をしても血清フェリチン値・トランスフェリン鉄飽和率(TSAT)が上昇せず貧血の改善が得られない場合,消化管出血の有無の検索をすべきとされている.透析患者では,毛細血管のうっ血と毛細血管前括約筋の破綻に起因する粘膜下静脈の慢性的な閉塞が原因となって血管内皮細胞増殖因子(VEGF)依存性の脆弱な血管増生が起きると考えられている.また,抗血小板薬内服などによる粘膜障害も,小腸出血の原因となると考えられる.
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