特集 透析医療における災害対策
12.災害派遣医療チーム(DMAT)
小井土 雄一
1
1国立病院機構本部DMAT事務局
キーワード:
災害派遣医療チーム(DMAT)
,
広域医療搬送計画
,
圧挫症候群
,
血液浄化療法
Keyword:
災害派遣医療チーム(DMAT)
,
広域医療搬送計画
,
圧挫症候群
,
血液浄化療法
pp.807-814
発行日 2021年8月10日
Published Date 2021/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001805
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わが国は昔から災害に対する意識は高かったが,こと医療に関しては全く準備がなされていなかったことが露呈されたのが阪神・淡路大震災(以下,1.17)であった.1.17の死亡6,434人のうち約500人は防ぎえた災害死(preventable disaster death;PDD)であったと報告されている.1.17の防ぎえた災害死の原因として,①急性期の現場における医療が欠落していたこと,②災害医療を中心的に担う病院がなかったこと,③重症患者の広域搬送が行われなかったこと,④医療情報が全く伝達されなかったことの4点があげられた.これらの教訓を活かし国は急性期の医療を担う災害派遣医療チーム(DMAT)の創設,災害に強い病院である災害拠点病院の指定・整備,重症患者を被災地外へ運ぶ広域医療搬送計画の策定,そして医療情報を共有するための広域災害救急医療情報システム(EMIS)を開発した.本稿では,DMATと広域医療搬送計画の概要を述べる.
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