特集 透析医療における災害対策
13.長期避難生活における合併症予防
榛沢 和彦
1,2
1新潟大学医歯学総合研究科先進血管病・塞栓症治療・予防講座特任教授
2避難所・避難生活学会理事
キーワード:
避難生活
,
簡易ベッド
,
静脈血栓塞栓症
,
不活発病
,
感染症
Keyword:
避難生活
,
簡易ベッド
,
静脈血栓塞栓症
,
不活発病
,
感染症
pp.815-824
発行日 2021年8月10日
Published Date 2021/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001806
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長期避難生活における合併症とは,貧弱な避難生活環境による健康被害である.これらを予防するためには十分な数のトイレ(T),調理できるキッチン(K),簡易ベッド(B)のTKBが3日以内に必要である.このうち簡易ベッドの使用は静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群),不活発病(ロコモティブシンドローム)および感染症を予防できるので重要である.しかしTKBを早期に準備するためには大規模な備蓄,避難所を運営するための職能ボランティア組織の育成と派遣システムが必要で,そのためには災害関連法の見直しや,国と県に災害専門省庁と下部組織が必要である.
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