特集 大災害と子どもたち――Excluded and Invisible Ⅰ
災害対応のインフラストラクチャ
6.災害派遣医療チーム(DMAT)と災害医療コーディネーター
立石 順久
1
1千葉市立海浜病院救急科,集中治療科
pp.576-580
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003480
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本稿では,災害急性期における医療支援の中核を担う日本DMAT(災害派遣医療チーム)の成り立ちと活動,ならびにその支援体制のなかで重要な役割を果たす災害拠点病院および災害医療コーディネーターの機能と課題について概説する.阪神・淡路大震災を契機に整備された災害医療体制は,その後の地震・風水害・感染症災害を経て実戦的な運用が進み,DMATの活動は急性期医療支援に加え,ライフライン,感染症,保健福祉などの分野への関与も広がっている.一方,急性期から亜急性期以降の多様な組織がかかわる支援体制への円滑な移行には,地域の実情を理解し調整を担う災害医療コーディネーターなど,調整機能の確立とその育成と活用が今後の課題である.

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