〔臨床工学〕
12年間RO水の高度清浄化を維持できたRO膜の性状分析―新しいRO膜性状分析法を用いて
佐々木 敏作
1
,
辻 大輔
2
,
守屋 椋伍
2
,
松井 克将
2
,
丸山 禎之
2
,
和田 茂
2
1佐々木会佐々木内科クリニック
2佐々木会佐々木内科クリニック 臨床工学技士
キーワード:
透析液清浄化
,
RO膜
,
元素分析
Keyword:
透析液清浄化
,
RO膜
,
元素分析
pp.399-405
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001687
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透析液清浄化には生物学的・化学物質的汚染があり,またそれらのモニター法や低減法などについても提唱されてきた.そうして得られた透析液の清浄化の結果,貧血の改善や栄養状態の改善,あるいは残存腎機能の長期維持などの臨床報告がされている.非常に重要な透析液の清浄化のなかでも最も重要な役割を果たすのは逆浸透(RO)水の清浄化である.とくにon-line HDF療法が多くの施設で導入されている今日,さらにその重要性は高まっている.しかし,RO装置の管理について従来ガイドラインはなく,各透析施設はRO装置のマニュアルを参考に管理してきた.RO水質の劣化が認められたとき,あるいはメーカーの推奨時期(約3〜4年)にROモジュールを交換するのが通例であった.2006年にわれわれはRO装置の管理法とRO水の水質目標(RO水回収率は48%,RO水電気伝導率は0.5 mS/m以下,電気伝導率阻止率は98%以上,RO水エンドトキシン活性は0.01 EU/mL以下)を独自に設定し実践してきた.2008年に日本透析医学会,2010年に日本臨床工学技士会から透析液水質基準が発表されたが,いずれも生物学的汚染を主眼にしたものであった.その後,日本臨床工学技士会から2014年に「透析液清浄化ガイドラインVer. 2.01」,日本透析医学会から「2016年版透析液水質基準」が発表され,これらで初めてRO装置管理のガイドラインが示された.
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