特集 透析患者のADL とQOL―その評価法と対策
1. 透析患者における患者報告アウトカム(PRO)―ADL とQOL の評価法を中心に
加藤 明彦
1
1浜松医科大学附属病院血液浄化療法部
キーワード:
患者報告アウトカム
,
日常生活動作
,
生活の質
,
EuroQOL 5―demention 5―level
Keyword:
患者報告アウトカム
,
日常生活動作
,
生活の質
,
EuroQOL 5―demention 5―level
pp.1301-1308
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001479
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患者自身が評価する主観的な指標は患者報告アウトカム(PRO)と総称され,評価項目に日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)が含まれる.これまでの臨床研究では,医療者側の視点からみた重大なアウトカム(例:全死亡,合併症の発症)が臨床指標として用いられてきたが,最近はこれら客観的指標を補完しうるPRO に関心が集まっている.PRO の評価法・尺度はpatient―reported outcome measures(PROMs)と呼ばれ,透析患者でもさまざまな指標が作成されている.日本透析学会統計調査委員会では,導入期および維持期における主観的な身体機能状態(≒ADL)について全国調査をしているが,見た目の身体機能状態は死亡率と関連することが報告されている.一方で,従来の腎疾患特異的な健康関連QOL は評価法が煩雑なため,簡便ですべての疾患に使えるEuroQOL 5―demention 5―level(EQ―5D―5L)が透析領域でも普及する可能性がある.
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