特集 バスキュラーアクセス―トラブルを少なくするために
4.バスキュラーアクセスと心機能
鵜川 豊世武
1
1東京医科歯科大学未来指向型集中治療医学講座
キーワード:
透析シャント心不全
,
ナトリウム利尿ペプチド(BNP)
,
心負荷
,
非過大血流シャント
,
心臓予備能力低下
Keyword:
透析シャント心不全
,
ナトリウム利尿ペプチド(BNP)
,
心負荷
,
非過大血流シャント
,
心臓予備能力低下
pp.775-780
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001345
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透析患者の死因の男女別1 位,2 位は心不全で,糖尿病性腎症が新規導入の過半数を占めることから心不全の診断と治療が問われている.2006 年に発表された維持透析患者の心事故と心死亡の発生調査生命予後評価では,透析前BNP 値が283 pg/mL 以上でトロポニンT が0.08 mg/mL を超える症例に心事故と心死亡が4 倍以上に発生すると報告された.循環器学会ガイドラインのBNP カットオフ値はeGFR<30 で225 pg/mL と示されている.透析患者においてはいつ冠動脈病変の悪化が進行してトロポニンTが上昇しても不思議ではないことから,BNP 値,とくにBNP>283 pg/mL 以上の心不全診断において何が原因かを解明することが重要である.本稿では,透析シャント心不全・心臓予備能力低下に関して心エコー値とBNP から解析する.
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