特集 バスキュラーアクセス―トラブルを少なくするために
2.いつバスキュラーアクセスを作製するか?
花房 規男
1
1東京女子医科大学血液浄化療法科
キーワード:
高齢者
,
VA 成熟
,
血管径
Keyword:
高齢者
,
VA 成熟
,
血管径
pp.763-768
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001343
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血液透析患者において,透析導入時に自己血管を使用した動静脈瘻(AVF)の存在は,中心静脈カテーテル(CVC)を不要とし,その後の良好な予後と関連する.一方,AVF は作製して発達するまでの期間が必要とされる.血管の発達と関連する因子はさまざまなものがあるが,年齢,血管径は発達と関連する可能性がある.さらに,慢性腎臓病患者では,心血管系の合併が多く,透析導入前に亡くなる患者の割合も高い.高齢者においては,バスキュラーアクセス(VA)を作製したが,使用せずに亡くなる患者も存在する.一方,わが国のVA 作製の技術の高さ,血流が少ないこと,導入時のeGFRが低いこと,VA 作製によりeGFR の低下が遅くなる患者の存在などさまざまな要因を考慮する必要がある.
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