特集 透析患者の脳血管障害
1.脳血管障害の疫学
戸井田 達典
1,2
1宮崎大学医学部血液・血管先端医療学講座
2宮崎県立延岡病院
キーワード:
透析
,
脳血管障害
,
疫学
Keyword:
透析
,
脳血管障害
,
疫学
pp.529-534
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001283
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腎不全は脳血管障害の独立した危険因子である.透析患者では脳血管障害の発症率が一般人口の5〜10倍高く,いったん発症すると重症化しやすいことが知られている.本邦の透析患者での脳血管障害による死亡は,1990年代以降減少しつつあるものの,死亡原因の第4 位であり,女性の割合が高い.さらに,最近の海外からの報告において,女性での発症率が高いことが報告されている.腎代替療法の違いによる脳卒中発症率は,血液透析においてもっとも発症が多く,続いて腹膜透析,移植腎が機能している患者でもっとも少ない.近年では,新規透析導入患者の高齢化などを反映し,透析患者の脳血管障害のうち脳出血に比較して脳梗塞の発症が増加している.
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