Japanese
English
入門講座 感覚障害とリハビリテーション・4
味覚障害
Taste disorder
杉本 久美子
1
Kumiko Sugimoto
1
1東京医科歯科大学
1Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
味の認知機構
,
味覚障害
,
亜鉛
,
口腔保健
Keyword:
味の認知機構
,
味覚障害
,
亜鉛
,
口腔保健
pp.1065-1071
発行日 2018年11月10日
Published Date 2018/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201475
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
食物をおいしく味わうことは生活のなかの大きな楽しみであり,味覚障害はこの楽しみを奪い生活の質(quality of life;QOL)を大きく低下させる.とりわけ高齢者や有病者においては,味覚障害は容易に食欲低下から低栄養状態を招き,全身状態を悪化させる要因となる点で重要な感覚障害の1つである.
味覚障害患者数は高齢社会の進行に伴って増加していることが,日本口腔・咽頭科学会による全国的調査の結果から示されており,1990年に年間の推定味覚障害患者数14万人であったものが,2003年には24万人と大きく増加している1).この動向は味覚外来を設置している病院の近年の報告2)でも示され,高齢者では加齢に伴う味覚機能低下3)に加え,全身疾患,服薬の影響により味覚障害が増加することを反映している.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.