特集 透析患者の感覚器障害
3.味覚障害(1)その実態
田中 彰
1
1日本歯科大学新潟生命歯学部口腔外科学講座
キーワード:
味覚低下
,
味覚機能検査
,
口腔乾燥
,
味蕾
Keyword:
味覚低下
,
味覚機能検査
,
口腔乾燥
,
味蕾
pp.29-36
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001156
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透析患者は健常者に比して味覚異常の頻度が高く,多くが味覚閾値の上昇による味覚低下である.透析患者の味覚低下の原因は,透析による味覚支配神経の伝達障害,亜鉛欠乏や口腔乾燥に伴う味蕾の障害など種々の要因が複合的に作用している.味覚異常を訴える透析患者に対しては,味覚機能検査を行って味覚機能を評価し,口腔内を観察して口腔粘膜や舌の器質的異常の有無を確認する.さらに,全身的には血清亜鉛値を測定・補正し,電解質・体液バランス・水分管理の適正化をはかる.また,味覚異常を誘発する薬剤投与の確認も重要である.味覚低下が明らかになった場合は,管理栄養士と情報共有し,患者のQOL 向上に向けた適切な食事・栄養指導を行う.
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