特集 透析医工学の最前線
2.透析関連技術の進歩(10)透析通信共通プロトコル,何ができて何ができないのか
芝本 隆
1
1群馬パース大学大学院保健科学研究科
キーワード:
血液透析療法
,
通信共通プロトコル
,
Ver. 4.0
,
情報通信技術
Keyword:
血液透析療法
,
通信共通プロトコル
,
Ver. 4.0
,
情報通信技術
pp.545-550
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000884
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1997 年,初めて誕生した通信共通プロトコル「Ver. 1.0」は透析装置がもつデータを中央監視システムから要求し受信する機能だったが,通信項目は20 と各メーカのシステムの項目数には程遠かった.2016 年, 日本透析医学会とMTJAPAN は,装置から中央監視システムへのデータ通信項目を60 項目に,中央監視システムから装置へのデータ通信項目を34 項目とした通信共通プロトコル「Ver. 4.0」を策定した.背景として,オンラインHDF などの治療法の出現や,新たなモニタリング機能を搭載した装置が市販される現状がある.「Ver.4.0」の通信手段は将来性を考慮し,XML が有力候補として挙げられた.今後の課題は災害時の情報通信である.自然災害などが発生して二次的災害や複合的災害が起きた場合には,通信インフラを長期に使用できない可能性がある.日本透析医学会は自治体と協力して災害対策を構築しているが,インフラが崩壊した場合の情報通信は解決しなければならない問題として残る.
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