特集 透析医工学の最前線
2.透析関連技術の進歩(4)透析排液(透析量)―モニタの有効活用
森實 篤司
1
1新生会第一病院臨床工学部
キーワード:
透析効率
,
透析液排液濃度
,
紫外線発光ダイオード
,
透析量モニタ
,
排液吸光度
Keyword:
透析効率
,
透析液排液濃度
,
紫外線発光ダイオード
,
透析量モニタ
,
排液吸光度
pp.495-499
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000878
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血液透析療法は血液中に含まれる尿毒症物質をダイアライザにて,拡散・濾過により透析液側に除去する治療法である.透析効率は生命予後と関係が深く,透析効率の低下を防ぐ点で,血中の尿毒症物質量を知ることはきわめて重要である.しかし透析治療ごとの採血検査は患者への負担や治療コストも増大するため不可能に近い.近年,LED などの技術の進歩により,透析排液に紫外光を照射することで透析排液中の溶質濃度を連続で評価できる透析量モニタが内蔵された透析装置が市販され,治療現場で応用が進んできている.これら排液溶質濃度をもとにリアルタイムに透析効率(Kt/V)の解析が可能になったことで,透析中のKt/V を評価し長時間透析や在宅透析へも応用可能であると考える.連続測定できる点もモニタとして有効であり,透析治療における再循環や脱血不良などのバスキュラーアクセスの評価をリアルタイムに把握できる今後の重要なモニタリング技術の一つと考える.
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