特集 ダイアライザ・ダイアフィルタの今後を考える
8.治療のスケジュール(長時間透析,頻回透析)からみた血液浄化器の使い分け
前田 兼徳
1
,
前田 由紀
1
1兼愛会前田医院
キーワード:
長時間透析
,
頻回透析
,
オンラインHDF
,
血流量
,
透析効率
Keyword:
長時間透析
,
頻回透析
,
オンラインHDF
,
血流量
,
透析効率
pp.473-479
発行日 2021年5月10日
Published Date 2021/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001712
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1回4時間,週3回の標準的な血液透析は,腎機能が廃絶した患者にとっては概ね治療不足である.多くの観察研究において,長時間透析や頻回透析は標準的治療に比べて患者の生命予後,栄養状態,貧血,CKD-MBD管理,血圧管理などを改善することが報告されている.一方で,透析治療自体にも異化を亢進する侵襲的な性質があり患者を消耗させる原因にもなるために,デメリットが上回ると考えられる場合には長時間透析や頻回透析は推奨されない.高効率の血液浄化療法であるという理由でダイアライザ,ヘモダイアフィルタ,ヘモフィルタの選択を行うのではなく,患者個々の全身状態,栄養,愁訴,検査結果に鑑みて透析方法や血液浄化器,さらに血流量,総透析液流量,置換液量を調節すべきである.
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