特集 透析医工学の最前線
2.透析関連技術の進歩(5)レーザ血流計の有効活用
江口 圭
1
,
峰島 三千男
2
1東北医科薬科大学病院臨床工学部
2東京女子医科大学臨床工学科
キーワード:
レーザ血流計
,
ショックモニタ
,
起立性低血圧
Keyword:
レーザ血流計
,
ショックモニタ
,
起立性低血圧
pp.501-508
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000879
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最近,医療用レーザ血流計が臨床応用され注目を集めている.血流センサを耳朶に装着した際に得られる耳朶血流量は間接的に脳血流量を反映する.一方,指先などに装着した際に得られる皮膚血流量は末梢循環の状態を表している.レーザ血流計は臨床応用として,血液透析中のショックモニタや起立性低血圧の危険度分類として臨床応用できる.過去の使用経験から,① 血液透析中の耳朶血流量の推移には基本的なパターンがあり,② 収縮期血圧と耳朶血流量の間には一定の相関関係が認められ,③ リアルタイムな血流監視が連続的な血圧監視の代替になることがわかっている.また,起立動作時の耳朶血流量のパターン分析を行うと,起立性低血圧による意識喪失の危険性を分類できる.今後レーザ血流計は,マンシェットによる間欠的な血圧測定の空白期間を埋める連続的な監視システムとして普及していくものと思われる.
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