特集 透析患者における電解質・酸塩基平衡異常―透析液を含めて
2.腎臓における電解質・酸塩基平衡の調節
太田 樹
1,2
1帝京大学医療技術学部診療放射線学科
2帝京大学医学部内科学講座
キーワード:
慢性腎臓病(CKD)
,
酸塩基平衡
,
代謝性アシドーシス
,
炭酸水素ナトリウム
,
高カリウム血症
Keyword:
慢性腎臓病(CKD)
,
酸塩基平衡
,
代謝性アシドーシス
,
炭酸水素ナトリウム
,
高カリウム血症
pp.143-150
発行日 2019年2月10日
Published Date 2019/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000793
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慢性腎臓病(CKD)におけるさまざまな病態の診断と治療には,電解質・酸塩基平衡に関する生理の理解が不可欠である.水素イオン(H+)濃度は生体内で非常に低く保たれており,恒常性の維持のためには厳密に狭い範囲に調節されなければならない.腎不全における酸の蓄積は,酸・塩基の生成と排泄とのバランス,緩衝系,腎臓の作用が複雑に関係する.代謝性アシドーシスは,蛋白代謝,高カリウム血症および心血管系に影響し,CKD を進行させる危険因子である.末期腎不全への進行を抑制するために,アシドーシスに対する炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ治療の介入が重要であり推奨される.
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